医療事件

美容整形における説明義務が争われた事例

kentaro

大阪高裁平成23年7月12日(医事法判例百選第3版、69頁)

腹部及び大腿部前面の脂肪吸引手術において、①手技上の注意義務違反または②説明義務違反があったため、両大腿部の内側について手術痕が残存し、両大腿部皮膚潰瘍の障害を負ったとして損害賠償を求めた事案

判旨(手技ミスは認め説明義務違反は認めず)

  1. 疑義を残さないために、説明内容を具体的に記載した書面を作成交付することが望ましい
  2. 書面の記載内容が説明内容を具体的に記載した書面とは言い難い
  3. しかし、十分な説明を受けたものと評価できる

コメント
美容整形の問題は医学的必要性や緊急性が乏しい点で他の医療行為を異なります。
本件は施術内容が書かれた書面内容以外の点で十分な説明をしたと評価しています。
書面の内容が具体的だったとすれば、説明がなかったとの主張はますます難しくなると考えます。

ABOUT ME
平井 健太郎
平井 健太郎
弁護士
大阪市で医療過誤事件(患者側)を中心に扱っています(全国対応)。 現在、訴訟9件を担当しています。
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