医療事件

医療事件・調査受任の契約内容について

kentaro

医療事件は、大きく3段階に分けて委任契約を結ぶことが多い。

①調査
②示談交渉
③訴訟手続

医療事件以外の事件とは異なり、①調査の委任契約が含まれていることが特徴的です。

調査委任契約の最終ゴールは、示談交渉や訴訟手続に進んで責任追及が可能かどうかを判断することです。
調査終了時には、病院側にミスがあると考えられ一定の賠償金が支払われる可能性があるという判断になるか、病院側にミスが認められないなどの理由で賠償金が支払われる可能性はないという判断のいずれかをすることになります。

調査の委任契約で弁護士が何をするかと言うと
a. 診療記録の入手と診療記録の精査
b.医学文献や論文、裁判例の収集・精査
c. 協力医からの意見聴取
d. 医療機関への説明会実施要求(事案によります)
これらの調査を行い、その結論を依頼者に報告することになります。

調査の結果、責任追及が可能であると考えれば示談交渉に進みます。
他方、責任追及が困難と判断した場合、委任契約は調査で終了し、示談交渉には進まないことになります。
医療事件の調査委任契約はあくまで調査までの契約であり、示談交渉に進む場合には新たに委任契約を結ぶ必要があります。
一般的には、調査段階で弁護士の着手金をお支払いいただくと思いますが、調査結果が責任追及困難との結論になったとしても、着手金の返還はありません。

医療事件では、
①調査の委任契約を結ぶこと
②調査と示談交渉は別の委任契約が必要になること
③調査では診療記録検討、文献・論文等の検討、協力医意見聴取を行うこと
④調査の結果、責任追及困難であるとの結論になれば契約終了になる場合があること
これらが他の事件類型との違いとして特徴的な契約内容です。

弁護士と契約を結ぶ場合には、その契約で弁護士がどこまでのことをしてくれるのか、確認してください。

ABOUT ME
平井 健太郎
平井 健太郎
弁護士
大阪市で医療過誤事件(患者側)を中心に扱っています(全国対応)。 現在、訴訟6件(高裁1件、地裁5件)、示談交渉中・調査中の事件は10件以上を担当しています。
記事URLをコピーしました