備忘録

しびれの分布から考えること

kentaro

『しびれの分布から考えること』(medicina 2024年6月号 1022頁~)を読んだメモ(以下は本書の引用)

  • 実は少しの知識と問診や視診を組み合わせることで確定診断に迫ることができる
  • 患者の「しびれ」の訴えが、実は「麻痺」であることは意外と多い
  • 患者は「手足の違和感」として訴えることがあり、これを「しびれ」と取り違えることがある
  • 急性発症の場合に注意すべき疾患として脊髄梗塞がある。突然発症の背中の痛みと、排尿・排便障害を伴った体幹部以下の感覚・運動神経障害が出現した際には、脊髄梗塞を鑑別診断に入れる必要がある。
  • しびれの部位が、単部位か、バラバラか(patchy)、左右対称型か(手袋・靴下型か、靴下型のみか)、を確認する
  • ビタミン・葉酸不足に伴う末梢神経障害が現代では意外と多く、これらの症例ではビリビリ感を訴える
  • 筋力評価というと徒手筋力検査をしなければならないと思い、苦手意識をもってしまいがちだが、上肢(握力)については、ペットボトルの蓋が開けられないこと、下肢については、つま先立ち(=前脛骨筋を反映)ができなければ、遠位筋の筋力低下・すなわち末梢神経障害に伴う筋力低下があるものと判断する
  • 血液一般項目では赤血球沈降速度(赤沈)を追加したい(ただし一般診療所では難しいことが多い)

コラムには以下のことが書かれている(同書、1028頁)

問診で「しびれ」の内容を理解し、ある程度鑑別診断をつけなければ、いくら慎重に診察、検査をしても「しびれ」の多くは原因を特定することはできないと言っても過言ではなく、逆に神経学的所見をとる前に問診で大体の診断がつくことも多い。

患者の訴える「しびれ」が感覚障害であるかどうかをまず確認

患者が訴える感覚障害の具体的内容は「ビリビリする」「ジンジンする」「チクチクする」「ほてる」「感覚が鈍い」などがあり、「触ると痛い」などの痛みの要素を伴うこともある

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平井 健太郎
平井 健太郎
弁護士
大阪市で医療過誤事件(患者側)を中心に扱っています(全国対応)。 現在、訴訟8件を担当しています。
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