「脂質異常症の疫学」「呼吸管理の実際:ガス」
医学雑誌medicinaのメモ
危険因子以外の要因、例えば冠動脈疾患の治療も死亡率の増減に影響することから、疾病頻度に対する聞け人氏の変化の影響を明らかにするには、死亡率ではなく罹患率で検討する必要がある。
ガイドラインは、LDL-Cが180mg/dL以上の場合は動脈硬化性疾患の推定発症リスクに基づき分類された管理区分(一次予防では低、中、高リスク)によらず薬物療法を考慮する、としているが、図3の通り男女とも40~69歳での治療率は10%未満であり、若年層ほど低い。
medicina Vol.61 No.8 1207頁~「脂質異常症の疫学」
医学雑誌周産期医学
NICUではSpo2(経皮的動脈血酸素飽和度)に下限だけでなく上限アラームが設定されることが多いが、これは過剰な酸素投与がさまざまな合併症と関連することが知られているからである。
実際にはSpo2を目標範囲内に厳密に管理することは難しく、大きく逸脱してしまうこともある
つい先程まで子宮内で20~25mmHgの低酸素環境にいた新生児が、酸素療法によって本当に楽になるのかどうかわからない。少なくとも酸素療法によってSpo2は上がるが換気は改善しない。
呼吸障害のある新生児に対して漫然と酸素療法のみを開始し、Spo2が100%になっているうちに病態の進行を見逃してしまうことは避けなければならない。
鼻カニューレを通して投与される酸素は鼻腔と口腔で室内気と混ざるため、下咽頭に届く酸素濃度は、投与される酸素濃度や流量だけでなく、児の大樹・分時換気量や鼻孔とカニューレまでの距離などの影響を大きく受ける。
周産期医学 Vol.54 No.6 659頁~「呼吸管理の実際:ガス 酸素療法」
NOの作用は動脈血管の平滑筋を弛緩させ、動脈拡張を起こす。
吸入濃度が小児では20ppmをこえると、副作用としてMetHb血症および二酸化窒素(NO2)濃度増加の危険性が増加するため、注意を要する。
胎児循環は胎盤で酸素化が行われるため、肺循環の必要性が少ないことが特徴である。出生後に肺が開くことで急激に肺血管抵抗が下がり、肺血流が増加し、肺循環に切り替わる。
周産期医学 Vol.54 No.6 662頁~「呼吸管理の実際:ガス NO吸入療法」